刻々と変化するビジネスシーンにおいて、経営者様方から発せられる
「幸い、以前とは変わらなく順調です」
「昨年度対比100%をどうにかこうにかクリアーしてます」
「業績は昨年度に比べ今のところ問題ないです」という類の言葉。
「順調でなによりです」「達成おめでとうございます。よかったですね。」と面と向かっては言いますが
もし経営者の方が業績を示す表現として「現状維持」や「昨年と変わっていない」というようなフレーズを使っているのならば内実は疑ってかからないといけないのかもしれません。
なぜか?
ここでホントは「相対性理論」などでかっこよく説明できればいいのですが、果肉の上部の甘い所しか食べない人間にとっては触りの部分しか理解できず、土台無理な話なので………。
何が言いたいかといえば……
昨年と比べ、何も変わらないようでも「時間」が経過しており、現状維持では1年分の成長がないため「劣化」しているという見方もできるわけです。
たとえば
●新製品と1年前の商品が、機能も値段もほぼ同じならば新製品を購入するでしょう。(古い方が劣化しているイメージ)
●若手とおっさんがほぼ同じ実力ならば若手が抜擢されるべきでしょう。(おっさんのほうが劣化しているイメージ)
●長い間付き合っていると、互いに刺激がなくなって新しいものを求めたくなるでしょう。(いろんなことを妄想したくなるイメージ)
(あくまでもイメージであり、世の中には若手よりおっさんがフットワーク軽い場合も数多くありますし…)
人間は日々成長し、昨日よりもアップデートしなければならないですし、しているものです。
そのためには時間が必要です。
時間というもの誰にでも与えられた財産といえます。若い人は使える時間が多くあるから価値があるのです。
おっさんは体力は劣化していますが、培った知恵やスキルはなかなかのものです。
なので、おっさんの居場所を奪ってまで若手を抜擢することには反対する意見もありますが、若い人間のたっぷりとある「成長する時間=伸びしろ」に期待しているのだと思います。
具体的な説明はしませんが、新しいものを求めたくなるのも同じことかもしれません。
それはさておき、
「時間」をビジネス的に考えると、会社にとって「1年という時間=成長しなければいけない時間」といえると思います。
「本年度の業績が昨年度対比100%」ならば、現状維持となりますが、1年経過しているので、
『本年度の成績=(昨年度の実績対比100%)+(経験やスキルアップなどの成長分)』があって初めて評価されるべきなのではないかと思います。
もちろん「成長分」というのは、数字では見えない部分がありますので、評価者は本当に成長しているのかどうか見極める必要があります。
逆に、期待や伸びしろということを考えると、たとえ業績が90%の場合でも評価できることがあると思います。
コロナ禍や何かしらの理由での販売環境悪化で、たとえ昨年対比が90%だとしても、いわゆる「痛い思い=マイナスの経験」や「更なるスキルアップへの意欲」などの成長分(ジャンプする前の膝を落とすイメージ)が見られれば、次年度への「逆襲」が見込まれ、トータルすれば『(前年度昨対90%)+(経験や意欲などの成長分)』で100%以上の評価となることもあります。(あくまでも次年度以降の結果次第ですが)
サステナビリティ(持続可能性)のある会社は、年々何らかの形で成長していくものでたとえその時の業績が悪くても、社員や経営者が「何かを掴んだ」のであれば、これは「伸びしろ」と呼ぶことができ、翌年~何年後かにプラスに転じることができれば成長分となるのです。
イメージすると、こんな感じでしょうか。
ただ、「本当に成長分となるのか」を評価するのは「経営者の方の目」があってこそです。
業績を落とした「昨対100%割れ」は、あくまでも「指標」であって、その時の状況(市場・販売環境など)を見極める必要があると思います。同時に社員や管理職の努力や能力も鑑みなければなりません。
逆に、昨対110%でも上積みは「誰でもできる」ような景気の良い状況ならば、額面通りではなく、評価を割引する必要があるでしょう。
経営者の方々には、「数字のマジック」に惑わされ見たままを受け取るのではなく、「数字では見えない本質」を捉え、どのような結果も「なぜ・なに」を把握し、現状や人を見極めていく必要があるのではないでしょうか。
なので
これから、経営者の方は「数字しか見ていない」と陰口たたかれないように
「幸い以前とは変わらなく順調ですが、これは偶々かもしれないし、私や従業員の能力が上がっているかは慎重に見極めたいです。」
「昨年度対比100%をなんとかクリアーしていますが、たとえクリアーしなくても従業員のスキルは、間違いなく上がってます。」
「今のところ問題ないですが、修羅場の経験を積めたかどうかは甚だ疑問です。」
と言っていただくことを提案します。
ただ、「クドイ」とか「ねちっこい」とか揶揄されると可能性がありますが、これも会社のためということで。
追伸:あくまでも個人の見解です。
ちなみに筆者は、人も馬も見極める能力は残念ながらあまり備わってないみたいです。人も馬も投資話も信頼してはよくダマされます。