お待たせしました。サポーテスト的動作解析の第9回目です。
我々は、現在スポーツ分野での主流である「動作解析」をビジネスにも応用できないものかと考え、ビジネスシステムのどの動作部分に負荷や問題点があり、どの部分を修正していけば最大限にパフォーマンスを発揮できるのかを寝る間も惜しんで研究しているつもりです。
ビジネスの一つ一つの動作を解析するだけでなく、諸問題に至るまでの時間的な部分なども考慮することによってサポ研なりの分析を発表していけるのではないかと思います。(※あくまでもブログ上1コーナーでの話です)
ところで
タイムリミットが迫り、一つの判断が将来を大きく左右するような場面に出くわしたことはないでしょうか。
人生の選択や経営判断など、ミスは許されないような選択をする時は、慎重に慎重をかさねてしまいます。
ただ、起こりうる色んな場面を想定して熟考をしたものの、最終的には決められず、成り行きを見守るだけに終わってしまい後悔したことのある方もいるのではないでしょうか。
なかには「間違えるよりマシ」と考える方もいるかもしれませんが、それも含めて悔い残らないような判断をしていただきたいと思います。
経営者となると、判断しなくて助かる時はよっぽど運が良い時しかないと思いますが。
ということで
第9回目の研究は
「きっとどこかにある、そんなところはすぐ決めるのに、肝心なことは決められない経営者の動作解析」です。
どこかにあるどころか、この類の話は色んな所で見聞きすると言ってもいいでしょう。
では
時系列で「とある 『決められない経営者』がいる会社」の「動作」にフォーカスして追ってみます。
(左から 場面:行動≪青字≫:動作≪赤字・紫≫)
フェーズ①:経営不振のため、取締役会でボーナスカットが諮られる。
➡➡➡●動作:経営者(以下K)「ここは従業員に泣いてもらうしかないと即時決定する」
フェーズ②:労使交渉にて労組側からボーナスカットを吞む代わりに「経営陣の報酬カット」の提案を受ける
➡➡➡●動作:K「受け入れたくないので、のらりくらりと提案をかわすことを決定する」
フェーズ③:社運を賭けた新規プロジェクトの報告を受ける ➡➡➡●動作:K「ひと通り話を聞いて、意思決定しなければいけない雰囲気にしないために早めに切り上げることを決定する」
フェーズ④:経営判断レベルの新規プロジェクト意思決定日になる
➡➡➡●動作:K「『体調が悪くなった』と言って欠席を決定する」
フェーズ⑤:延期された新規プロジェクト意思決定日 その1:取締役会にての冒頭
➡➡➡●動作:K「まず『体調が悪いのが続いている』と先手を打つ」
フェーズ⑥:延期された新規プロジェクト意思決定日
その2:取締役会にての本題議論 ➡➡➡●動作:K「『社長一任』と決定されないように多数決で判断すると決定する」
フェーズ⑦:延期された新規プロジェクト意思決定日 その3:取締役会にての最終判断 ➡➡➡●動作:K「多数決を取ったが伯仲しているため『社長一任』のムードになったので回避する ため、急にキレはじめる」
フェーズ⑧:結局、社運を賭けた新規プロジェクトは「お流れ」になる ➡➡➡●動作:K「自分を棚に上げて、決定しなかった取締役たちにキレてプロジェクトの責任重役 の降格を即時決定」
「ボーナスカット」から「重役降格」までの主な動作解析しますと
(ボーナスカットが)即時決定➡かわすことを決定➡早めの切り上げを決定➡欠席を決定➡先手を打つ➡多数決と決定➡任されそうなのでキレる➡降格を決定
これらの動作をならべただけで「問題と向き合ってなさ過ぎる」と感じられるでしょう。
さて、この動作を追っていくと問題点や改善点がどこのあるのかの仮説を立てやすくなります。
たとえば
問題点①:収入の痛みをわかちあわない➡➡➡ 改善点:厳密にいうと、ボーナスカットは経営者の専権事項ですのでわかちあう必要もありませんが、今の時代 せめて理解をし合うことは必要でしょう
問題点②:経営判断を最初から放棄する経営者➡➡➡ 改善点:会議を早めに切り上げたり、欠席したりすると周囲に「逃げている」と捉えられかねませんので、せめ て「難しい判断を迫られている体」で話を聞くと出席者からの共感も得やすいのではないでしょうか
問題点③:一任でなく多数決にする➡➡➡ 改善点:自身の判断が間違っているかどうか不安になり多数決の選択肢もあるとは思いますが、周囲の意見を聞 いたうえで、最終的には自身で決めて、責任を取ることが経営者なのでしょう。
問題点④:決定も責任も他人に押し付ける➡➡➡ 改善点:むしろ、誰でもできる決定は周囲に任せ、困難な問題は真摯に向き合うことで成長もできる
問題点⑤:立場が危うくなるとすぐキレる➡➡➡ 改善点:そんな自覚のない野郎にはSTF(ステップオーバートーホールドウィズフェイスロック)を
以前までは経営者は会社を存続することだけを考えていればよかったのかもしれませんが、現在では従業員満足なしでは経営が成り立たないともいわれていますので、従業員に共感を得ることは大切でしょう。
そして、このような経営者の背景を想像してみますと
「社長を諭したり、教育したりする古参幹部」や「社長の発言や態度に右往左往する経営陣」の存在という「組織の問題」にも行き当たります。
もし「従業員を軽視する社長」や「経営判断を判断できない社長」がいれば、いずれは危機を迎えるのではないかと思われます。
そうならないためには「ストップをかけられる経営陣」が必要になりますし、従業員や現場から問題点のボトムアップが欠かせず、それは経営陣と従業員、そして社長との話し合いやコミュニケーションが必要なのかもしれません。
もちろん、問題点や改善点の答えはこの限りではありません。
もっと深く掘り下げると、もっともっといいアイデアが浮かんでくるかもしれません。
様々な角度から捉えることが必要です。
そして、どれか一つの動作でも改善することで全体がうまく回っていく可能性もあると思います。
ちなみに
この分析によって、「逃げている」と指摘された社長は反省して勉強しながら、自ら経営判断をおこなったとかならなかったとか。(成功しているかどうかは別です)
このように
全体を見渡すと「どこに手をつけていいかわからない」ことも、構成している動作一つ一つのなかにヒントが隠されていることは多々あります。
当研究所では
いろんな動作から、そこに潜む様々なケースを想像して検証していくヒントになればと思っております。
また次回の研究発表の機会でお会いしましょう。
※あくまでも個人の見解です。