泥舟さん日記③『沈没船にはお宝がいっぱい』~ノンフィクション風ビジネス血風録~

泥舟さん日記③です。3回目にして、至る所に泥舟テイスト満載となっております。ただ濃すぎるため、食傷気味になることお気をつけください。

※文面は、サポーテストで再構成しております。あくまでもフィクションですのでここに出てくる人物・会社・団体名は存在しません。「ノンフィクション風」ということでご理解いただければ。

文章のみですので、それぞれで捉え方をしていただきたく、深く考えず軽い気持ちで想像力を働かしながらお読みください

~「泥舟日記」より~

その③『どう考えても邪魔をしてくるようだ』の巻

3月、日本のほとんどの企業は決算月にあたるので周りはみんな気忙しい。

同時に4月の新入社員受け入れ準備や人事異動に向けて、より慌ただしくなる時期でもある。異動に関して、普通の会社なら月始早々にも内示が出て、新しい年度の準備をおこなうものだ。

それは会社が新年度に向かうためだけでなく、社員が異動を受け入れるまでの準備期間であるともいえる。

そりゃそうだろう、他の県に転勤となると住居も変わるし、違う部署に移籍するなら引継ぎと心の準備が必要なのだから。

また、異動が無くても新年度の予算と売上の目標額を設定しないといけないし、新入社員の受け入れも含めて早めに公示されるのに越したことはない。

新年度の準備という意味では、会社にとっても、社員にとっても早ければより円滑に進むと思うのだが…

ただこの会社は違った。呆れるほどに違った。

3月中旬になり、会社の「偉い方たち」に「こちらの部署異動はありますか」と問い合わせても、誰も答えてくれない。

年度末と言えども、どの現場も常に動いているわけで「新年度の戦力」は現状のメンバーをベースと考えるしかない。新入社員も配属されるのかどうかもわからないのなら尚更である。

業績不振で、巻き返しへ何とか結果を出さないといけない部署ならばまだしも、俺の所属する部署は昨年対比も予算もクリアしているので、異動による大きな入れ替えはないと考えている。

それに、ようやく戦力になってきた後輩達や、俺以下に仕事を任せてもらい、部全体の「見守り役」として居てもらわなければ困る上司とで作り上げた「一体感」は壊したくないというのは自分自身の個人的なわがままなのだろうか。

何も発表や内々の情報のないまま、4月が近づくにつれ「出来ることならどうかこのままで」「誰もいらないことをしませんように…」と神にでも祈るような日々であった。

しかし、この会社は「願い」を木っ端微塵に砕いてくる。呆れるほど砕いてくる。
「神様なんていないよ」と心まで砕いてくる。


人事異動として、「上司一人、若手社員一名計2名、他部署へ移動」

そして、「支社から上司一人、他部署から中堅社員一人計2名異動でこちらに」 

桜咲く3月30日のことだった。

異動する上司は、俺が入社した時から直属で仕事を教えてくれ、ときには盾になってくれた恩人である。その上司は社外にもネットワークがあり、業界の情報にも詳しくまさに部署の「顔」だった。

ただ、昨年から就任した担当常務と折り合いが悪く、一説ではそれが原因といわれている。

後輩は売り上げトップの主力部署に欠員が出たため、即戦力として引き抜かれた形だ。

俺も参加した予算や売上目標の設定額を、今在籍しているメンバーがいると想定したうえで、思い切った達成目標を作成していた。

オーバーな言い方をすれば、俺自身も今いるメンバーも失敗や経験を繰り返して、年月をかけて若手も成長し、ようやく「戦える集団」として競合他社に負けないチームになるという手ごたえがあったのに…。

「今のメンバーなら、さらに業績も上がってこの部署の価値も上がる」と確信めいたものがあったのに…。

例年以上に持っていた希望とやる気が急降下…、と同時に「なんでこの準備時期に…」と自分の描いた新年度の青写真が「ただの妄想」だったのかという思いで、頭がぐちゃぐちゃになった。

同じような現場の混乱は至る所で発生しているのだろう。

この影響は4月に続く…

今回のわかったこと
『どうやら、わが社の場合は泥舟会社かどうなのかは人事異動の仕方でわかるようだ』


2021年10月08日