ことわざ・慣用句からビジネスに役に立つ「何か」を考えるシリーズの今回のテーマは
「軒(のき)を貸して母屋を取られる」です。
意味は「軒先を貸しただけなのに、結局は家ごと奪われてしまうこと」です。
好意で貸してあげたのに、いつのまにかまるごと奪われてしまう。悲しいことです。
イメージとしては「信用していたのに裏切られた」「好意につけ込まれた」という感じでしょうか。
ビジネスにおいてもこういうことはよくあります。
たとえば
●顧客の求めに応じて、よかれと思い「お客様のためならば」と自社にて面会・紹介したが、いつの間にか頭越しに取引が始まった。
『事務所を貸して、顧客も取られる』
どこに怒りをぶつければいいのか…、そもそもぶつけてもいいのか…
●上司の忙しい姿を見て、よかれと思い「手伝いましょうか」とサービス残業をしたが、いつの間にか当たり前に指図されるようになった。
『定時外の貴重な時間を貸して、残業代も取られる』
今も昔も、社会はこんな感じで回っているみたいです。良いのか悪いのか…
●経営者がよかれと思い、以前から上奏されていた自社製品販売促進のための子会社を作ったが、いつの間にか、精も根も尽き果てた定年社員の「天下り」出向先になってしまった。
『耳を貸して、社運をかけたが、カネだけ吸い取られる』
景気の良い時代ならまだしも、中小規模事業者の投資は慎重に…
厳しい人ならば「軒先を貸すからこんなことになるんだ」と怒られると思いますが、「それもどうなんだろう」とも考えてしまいます。
「よかれと思う」ということは、相手のことを真剣に考えていることの証です。
商売では、人と人とのつながり、人間関係が非常に大切なものであることはご承知のことでしょう。
あきらかに怪しい軒先レンタルについては気づかなければいけないと思いますが…
ビジネスで信頼している人から頼まれると、検討しなければならない場面も必ず出てくるでしょう。
そのような時のために
「軒を貸しても母屋だけは取られない」対策は常に考えておくべきかと思います。
具体的には
この人は軒を貸してもいいのかを普段から見極めることが大切なのではないかと。
会社発展のためには投資もしなければなりませんし、なかなか難しいことではありますが。
いずれにせよ「見る目」が必要なことは確かのようです。
「一本も取られ、そして呆気にも取られる」ことのないよう。
※あくまでも個人の見解です。
「あなたの友達と一緒に遊びたい」とかなんとか言われて、よかれと思い友達を紹介したが、しばらく一緒に遊んでいるうちにいつの間にか二人は懇(ねんご)ろの関係になってしまった。
との経験談をよく聞きます。
まさに母屋を取られる典型的なパターンです。
そういう時は、母屋は賃貸で契約切れだと思うことにしましょう。
更新しようとしたら新たな入居者が現れたのだと。
その母屋は相当住み心地がよかったのだと。
ひょっとして、大家さんから契約解除だったのかも…
やはり何も考えない方が幸せなのかもしれません。