泥舟さん日記⑯『沈没船にはお宝がいっぱい』~ノンフィクション風ビジネス血風録~

泥舟さん日記です。

深く考えず、軽い気持ちでお読みください。

※文面は、サポーテストで再構成しております。あくまでもフィクションですので、ここに出てくる人物・会社・団体名は存在しません。「ノンフィクション風」ということでご理解いただければ。

「会社とはなんぞや?」と考え始めて数年間、様々な職種の方々に、その疑問に対する言葉を聞きかじりながらまとめております。
文章のみですので、それぞれで捉え方をしていただきたく、深く考えず軽い気持ちで想像力を働かしながらお読みください。

~「泥舟日記」より~

その16「新規事業会議に行ってきたよ①」

3月

外回り後の夕方、帰社すると突然呼び出しがあり、直属の上司と営業担当重役室へ向かった。

そこで
「新規事業プロジェクトを立ち上げるので君たちの意見を聞きたい」とのことだった。


「意見を聞きたい……………だと?」

下の者には高圧的な態度をとる印象を持っていた重役が聞く耳を持つなんて、他社では当たり前のことでも「聞いてくれてありがとう」のような感じになってしまうこの会社はどうなってるんだ………。

その部分だけがフォーカスされてしまい、その後のことはあまり覚えていないが。

あとで上司に聞くと「役員会で新規事業に向けて本腰をいれることになったので会議に次回出席してほしい」とのこと。

ここ数年来の業績が頭打ちであるということは、会社にいる誰もが理解しており              「事業変革は必須だ」と、営業の一部門の俺でさえ思っていたのだから、今になってのこの考えは遅いくらいだろう。

ただ、必要にかられてようやく「動いてくれてありがとう」と評価してしまうこの会社と、その会議のメンバーに「選んでくれてありがとう」とそんなに悪くないって思う俺はホントにどうなっているんだ……。
 

会議当日、各部署から集められた「選抜チーム」の初顔合わせとなったが
正直なところ、同じ会社といえども、顔は知っているが「どんな人なのか」はわからない。

「選抜」されるくらいだから、それなりの「実績や能力、未来志向の考え」を持っているんだろうと推察したのだが。
 
会議が始まり、社長が
「君たちのプロジェクトには、しゃ…社運がかかかかっているので、ききき期待していりゅ」
と言い慣れていないのか、噛みまくって何を言っているのかわからなかったことと

プロジェクトの座長であり、総責任者である営業重役が
「みんなでアイデアを出し合って新規事業を成功させよう。私に出来ることがあれば何でもするから」
「あっそうそう、それはそうと、私はいそがしいのであとはよろしく」
と席を立っていってしまい、その日は戻ってこなかった。

「社運をかける事業を後回しにするほど忙しい用事は何なのか…」俺には全くわからないのだが…。 


会社の行く末に暗雲が立ち込めているのは確実な状況の中で
経営陣の「とんちんかんな行動」はいつものことで、今さらたいして驚きもしないことだけは
議論なんかをしなくても、プロジェクトチーム全員で一致していたのであった…。

ふと窓越しに見た「春遠からじ」の夕空は、なぜか暗雲どころか真っ暗な闇が覆っているように見えた………。



今月のわかったこと
「長い冬を抜け出せる特急券ってほぼないんだろう。路線を変えるか、普通列車で行くか…。ただ、たとえ乗れたとしても、人身事故もあれば脱線もあって到着しない可能性もあるんだろう」

2022年11月08日