泥舟さん日記⑰『沈没船にはお宝がいっぱい』~ノンフィクション風ビジネス血風録~

泥舟さん日記です。

深く考えず、軽い気持ちでお読みください。

※文面は、サポーテストで再構成しております。あくまでもフィクションですので、ここに出てくる人物・会社・団体名は存在しません。「ノンフィクション風」ということでご理解いただければ。

「会社とはなんぞや?」と考え始めて数年間、様々な職種の方々に、その疑問に対する言葉を聞きかじりながらまとめております。
文章のみですので、それぞれで捉え方をしていただきたく、深く考えず軽い気持ちで想像力を働かしながらお読みください。

~「泥舟日記」より~

その17「新規事業会議に行ってきたよ②」

4月

経営陣の言葉を借りると「社運をかけている」新規事業選抜チームが先月から立ち上がり、数回のミーティングを重ねたが、なにぶん通常業務との掛け持ちのため早くもミーティングに全員が揃うということがなくなってきた。

欠席者が出ると、新規事業に対する議論も確認作業が主になってしまうためにいっこうに進まない。。

やはり「社運」というなら
ミーティングにもそれ相応の「格式」が必要で、本当に大事ならば全員の集合できる業務終了後にでも
議論を戦わせて全員納得する形で意思決定するべきだと思う。

同じく社運をかけているような取締役会や株主総会も経営をかじ取りしているメンバーが「忙しいから欠席」することはほぼいないだろう。

そもそも、そんなことに社運をかけているかどうか自体があやしいもんだが…。

時短や残業代削減などの働き方改革の影響なのか、就業時間内で収めようとするとこうなってしまうのだ。

ホントは誰も居残りを望んでいないし、業務が終わればさっさと帰宅したいだろう。
しかし「社運」ということならば、残業をいとわない人間も多いと思う。

なので、せめて会社からこのチームに対するお墨付きのようなインセンティブが欲しい。
おそらくコーヒー一杯だけでも良いと思う。
それなりに、リスペクトしてくれるのであれば…


しかし、そんな我々チームの意思とはかけ離れるかのように
立ち上がった当初からお偉いさん方も「その程度のもの」という認識だったんだろうなと改めて感じる。

かくいう自分も「選ばれた人」ということで、つい盛り上がって日常業務もそっちのけでフル参加していたが、周りとの温度差を感じており、自分の中で早くもこのミーティングの優先順位が低くなっている
 

そう言いながらも集まったメンバーで「会社の現状と未来」を話し合う。

予想通り、会社の批判や将来への悲観がほとんどだったが、なかにはパワハラやセクハラの悩みまで。 
やはり「共通の敵」的な感覚で話し合うと出席しているメンバーとの仲が縮まってきたとも感じる。
 

ミーティングを重ねるにつれ、具体的に「これから何をすべきか、そのためには何が必要か」など新事業構想について、各自の思うところを少しづつ共有しながら方向性を探っており、具体的ないくつかの案とともにゼロの状態から議論の出来るまでに積み上げていった。


 
そしてある日
座長である営業重役が久しぶりに参加するとともに、以前研修で見た「コンサルタントの先生」を連れてきた。

「今日からこちらの先生が座長代理になります。彼を中心にもう時間がないので我々に新規事業を提案してください」と座長の営業担当重役の横に鎮座する「先生」を紹介した。

「みなさん、議論はある程度出尽くしたと思いますので、これからは新規事業の具体的提案を作っていきたいと思います。目安は30日後です。時間がないので各自しっかりと案を持ち寄ってください」と。 


ミーティングが終わり、「先生」が去ったあと
 「前回の研修で会社は何か変わったか?またグダグダで終わるのか」
 「提案より、まず会社の業績が落ちた反省からだろ」
 「コンサル料は何百万とかなんだろうな?そんな金あるなら少しでも社員に還元しろよ」
 「いろんな負債が長年積み重ねてこうなったのに、それを1カ月程度で出来るのか」

まだ、言い足りない一部のメンバーは夕飯を食べに行き
「コンサルはウチの経営陣をみて『チョロい』とでも思ったんだろうなあ。それともいろんな意味で怪しいズブズブの関係なのか?」と。

最後は、酔っぱらった挙げ句に
「○○✕▲♯:;ー天=^¥誅@<:;@「」*~~~~~」(決して言ってはいけないこと)叫ぶやつも現れた。


どう考えても、普段よりも白熱した「議論」がおこなわれていた。

やはり、みんなは新規事業より経営陣とコンサルタントの関係に興味があるようだ。

「共通の敵」についての会話はよりいっそう盛り上がり出席者との仲だけはさらに深まったと感じた。



今月のわかったこと
「長いトンネルの向こうに駅はあるんだろうか。今にも止まりかけている電車が再び動き始めるのだろうか」

2022年12月18日