泥舟さん日記です。
深く考えず、軽い気持ちでお読みください。
※文面は、サポーテストで再構成しております。あくまでもフィクションですので、ここに出てくる人物・会社・団体名は存在しません。「ノンフィクション風」ということでご理解いただければ。
「会社とはなんぞや?」と考え始めて数年間、様々な職種の方々に、その疑問に対する言葉を聞きかじりながらまとめております。
文章のみですので、それぞれで捉え方をしていただきたく、深く考えず軽い気持ちで想像力を働かしながらお読みください。
~「泥舟日記」より~
その23「やはりホコ先がこちらに…」
10月
それなりに人が集う会社となると、中小企業といえども部や課がいくつかある。
そこには目に見えないようで、内部の人間にはしっかりとわかるヒエラルキー(階層)がある。
たとえば販売金額の高い部署。
会社全体の売上比率が高い部署ならばと、そこにいる人々は自然と「我々がこの会社を背負っている」オーラが出てくるように見える。
在籍人数も多く、民主主義体制だと完全に与党で、この部署の意向が「会社の方針」になるんだろう。
まあ「会社の傍流」に位置する部署の俺にはどうでもいい話なのだが…
たとえば現経営陣の出身部署。
会社内では一応「成功した人」扱いなので、その出身母体が社内でのエリートコースとなるようだ。
そうなると、実際にはあまり会社に貢献をしていなくても、なぜかその部署の人々が「お前たちとは格が違うんだよ」オーラを自ら放出しているように見える。
まあ「食パンの耳部署」にいる俺にはどうでもいい話なのだが…
これらの部署は常に社内で「マウント」という主導権を握っていたいので
部署単体での赤字や売上ダウンなどの業績不振や、所属メンバーの不祥事などの失態という「ツッコミどころ」は極力減らしたい。
このようなことが悪目立ちし始めると
「会社の中枢部署」として、これまで彼らなりに必死に守ってきた「プライド」がズタズタになってしまう。
そして、2番手部署の巻き返しにも注意を払いたいので
「組織の頂点を維持するためにはどうすればいいのか?」
➡➡➡「そうだ、自署に向いているホコ先を違うところに向ければいいのだ」
➡➡➡「ヒエラルキーの上位だと反撃を食らう可能性があるので下の層を狙おう」
という思考のメカニズムになる。
まあ「高層マンションでいうと1〜2階の踊り場」のような俺の部署には屋上階での争いなんてどうでもいい話なのだが…
と思っていたが、全然どうでもいい話でもないらしい。
たった今、営業会議でホコ先がわが部署に向いてきてしまったのである。
「利益は別として売上がここのところ芳しくないキミたちの部署はいったいどうなってるんだ」
「やる気はあるのか」
「我々の部署は朝から晩まで必死にやっているぞ」などなど
元花形部署かどうか知らないが、何期も連続赤字が続いており、普通の会社なら「お荷物扱い」にくわえ女子社員へのパワハラ・モラハラで問題になった部署の偉い方に言われたくないと心から思ったが、そこはヒエラルキー下層なので、ありがたい意見だと承っておいたが…。
「主導権やプライドとかいっても、たかが中小企業の小さな小さな世界での小さな小さな主導権をみんな必死に守ろうとしているんだな。お好きにどうぞ」
どうも俺の中で「悟り」が開かれたようだ。
「でも、クソみたいな人事異動でようやく育った戦力を取られ、代わりに時代に取り残されたベテランばかりをを押しつけられて、どうやって短期間で勝負できるというのだ」
と、グチのひとつも言いたいところだが、悟りを開いた俺はひたすらと念仏を唱えることにした。
不毛な会議が終わり
「これはあの部署に問題が起これば起こるほど、目先を逸らそうとこちらへの風当たりは強くなるな…。どうやって避けようか」と一緒に出席していた部長と「これからの戦略」を話し合った。
前向きに考えるならば「誰にも文句を言わせないほどの業績をたたき出す戦略」が普通なのだが
気がつけば、今後どうやってこの部署が「どのようにすれば、社内で目立たないようにするか戦略」を考えはじめていたところに、この会社全体における問題の本質が見えた気がした。
今月のわかったこと
「内戦が続くと国は疲弊する。組織も同じ。それはみんなわかっていると思うんだけど」