サポーテスト的動作解析の第5回目です。
スポーツの分野で動作解析をビジネスにも応用できないものかと(ビジネス)システムのどの部分に負荷がかかり、どの部分を修正していけばパフォーマンスを最大限発揮できるのかを考えます。
動作を解析する、すなわち一つ一つの動作だけでなく、時間的な部分も分析することによってどの部分に問題があるのかを比較でき、よりわかりやすくなるということでサポ研なりの問題点や改善点を考えていきたいと思います。(※あくまでもブログ上1コーナーでの話です)
ここで、ついにサポ研に届いてしまったメールをご紹介します。
「サポ研の皆様(何人いるのかわかりませんが)、毎回バカバカしい話題を深く考察いただいてありがとうございます。さて、今回交代した私の会社の社長は、少しでも損失を出したり、利益率が低い結果だったりすると営業担当者を呼び出して、ながーい説教をします。なので、社内にはこれまでの『攻めの営業』を否定する人が増えています。私はどうも違うと思うのですが…。この一連のメカニズムでの問題点を教えていただきたいです(原文のまま)」(30代男性)
ビジネスには顧客が必要です。
その付き合いの中で、無理を聞いたり、助けたりすることで短期的な赤字や少ない利益で計上してしまうことはよく見る光景だと思います。
ここでいう「攻めの営業」というのは
一時的な損失を先行投資的に捉え、積極的に商談や提案などを仕掛けていくことで、大口注文や顧客数を増やし売上アップによる将来の利益増を図る営業ということでよろしいでしょうか。
このご時世、経済的に余裕のない会社は、目の前の売上や利益を最重要視して、長期的な視野に立つことはできないのではないかと思います。
この会社の営業部門は、挑戦的な組織風土を持っているのでしょう。
ということで、第5回目の研究は
「きっとどこかにある、社長の過剰なプレッシャーでやる気を失くした現場の動作解析」です。
では
「余裕のない社長から、何度もながーい説教をされた後の営業部の人々」を「動作」で追ってみます。
(今回は経過日がありませんので 上段・行動:下段・動作 となります)
①行動:損失を出した社員を呼び出して、社長が長時間説教する➡➡➡ ●動作:営業部の面々(以下 営)「先代は理解してくれたのに、今回の社長は、短期的だとか先行投資だとか言っても聞いてくれないので戸惑う」
②行動:再び損失を出した社員を、機嫌の悪い時の社長が公開説教をおこなう➡➡➡
●動作:営「何度説明しても、ムダだと思ったので黙ってしまう」
③行動:社長出席の会議の中でも、また上司が怒られる➡➡➡ ●動作:営「度の過ぎた説教でこれまでの実績を否定された気分になる」
④行動:営業部のミーティングで、社長に怒られた上司からも指摘を受ける➡➡➡
●動作:営「多方面からのしつこい追及にウンザリする」
⑤行動:大口の商談案件や新規顧客獲得のチャンスがやってくる➡➡➡ ●動作:営「以前なら必ず仕掛けていたが、社長の顔がちらついてしまい、もし損をしてしまったらどうしようと考える」
⑥行動:結局、迷っているうちにチャンスを逃してしまう➡➡➡ ●動作:営「損しないので怒られることはないとホッとする」
⑦行動:損益がしばらく出てないので、怒られることはなくなったが、営業を極端にセーブする状況が続く➡➡➡●動作:営「楽でいいので、これまでやっていた攻めの販売をするのがバカらしくなってくる」
⑧行動:営業をしなくなり、売り上げ額も下がって結果的に利益も落ちてしまう➡➡➡ ●動作:営「気づいたら、顧客も逃げてしまっているし、社員のやる気も失ってしまっている」
「社員に説教する」から「営業をしなくなる」までの営業部の主な動作解析しますと
戸惑う➡黙る➡否定される➡ウンザリする➡どうしようか考える➡ホッとする➡バカらしくなる➡やる気も失う
これらの動詞をならべただけで
これまでの挑戦的な組織風土が崩壊していく姿がうかがえます。
また、この動作を追って見ていくだけで、この組織の問題点や改善点がどこのあるのかの仮説を立てやすくなります。
たとえば
問題点①:売り上げ額も利益も落ちてしまった営業部
➡➡➡改善点:これまでの顧客を分析して、もう一度営業を仕掛けていくしかない
問題点②:楽をおぼえ、やる気のなくなった組織➡➡➡ 改善点:即座に復活は難しいが営業部のリーダーである上司や中堅社員がまずは「やる気」取り戻すし かない
問題点③:先に失敗を考えてしまい、商談案件をスルーしてしまう部員
➡➡➡改善点:部署のリーダーである上司や周囲のフォローしかない
問題点④:目の前の数字でしか見ない社長➡➡➡ 改善点:社長に損失の背景と将来の回収計画を子供に諭すように説明できる人材を作るしかない
問題点⑤:自身の機嫌で公開説教するしつこい社長➡➡➡ 改善点:気分次第で社員にあたる社長には心の中でジャーマンスープレックスしかない
これらのことから
売り上げも利益も減ってしまった「背景」を想像してみると
「締め付けにより動かなくなった組織」や「社長の過剰なプレッシャー」「上司のマネジメントの欠如」などの「組織とヒトの問題」にも行き当たります。
ただ
一度緩んでしまった組織はなかなか元に戻ることは難しいと言われております。
やはり
人の異動や新人の加入などの「カンフル剤」が必要になることもありますが
基本は、現営業部で挑戦的な姿勢を保てるように「上司のリーダーシップ」や「メンバー全員のやる気を奮い起こす施策」などが大切となります。
また
新社長側も、社長が代わったこと、結果を出さなくてはいけないという焦りが少しの損失も許されない方針になってしまったのかもしれませんが、一番変わらなければならない方であることは言うまでもありません。
となると
社長の方針を尊重しつつ、営業部の復活を目論みながらも、社長を軌道修正させていくような「つなぎ役のできる」策士的な上司・ミドルマネジャーの存在が必要となるかもしれません。
とりあえずは、まず最初に
売り上げダウンの結果を社長や営業部だけの責任と捉えず
今一度、会社全体で
「利益とは」「会社とは」「人材とは」について考えてみることだと思います。
投稿者様の営業部が、少しでも生き生きとした組織になることを、心より祈っております。
もちろん、問題点や改善点の答えはこの限りではありません 。
もっと深く掘り下げると、もっともっといいアイデアが浮かんでくるかもしれません。
様々な角度から捉えることが必要です。
そして、どれか一つの動作でも改善することで全体がうまく回っていく可能性もあると思います。
このように
全体を見渡すと「どこに手をつけていいかわからない」ことも、構成している動作一つ一つのなかにヒントが隠されていることは多々あります。
当研究所では
いろんな動作から、そこに潜む様々なケースを想定&検証することで
会社経営に関する何かしらのヒントになればと思っております。
また次回の研究発表の機会でお会いしましょう。
※あくまでも個人の見解です。