「いつでもどなたでも経営学を利用できる」をどんな時も考えているつもりではありますサポーテストが
そこはかとなく「経営学をわかりやすく説明して、わかりにくく例える」シリーズ
今回のテーマは「エンパワーメント」です。
ビジネスにおいてのエンパワーメント(empowerment)とは「権限委譲」を意味します。
たとえば
これまで上司が持っていた仕事や権限を、部下に与えることで成長させ、組織全体のパフォーマンスレベルを上げることを目的としています。
ただ、上司や会社が思うほど、このエンパワーメントはうまくいかないこともあり、特に教育制度の整っていない中小企業では部下の自主的な成長にかかる比重は多くあるのではないでしょうか。
かといって、このエンパワーメントがないと、ずっと同じ人が仕事や権限を持つこととなります。
そうなりますと
現状のパフォーマンスとしては「安定性」という部分ではいいのかもしれませんが、将来を考えると「人が育たない」という会社組織として非常に大きな不安を覚えることなります。
ということで
今回も皆さんがふと思うような疑問のコーナーをあじきなく見ていきたいと思います。
あじきない質問①「『組織全体のパフォーマンス…』とか言うけど、部下にエンパワーメントをして業績が落ちたら、弊社みたいな会社はあっという間にピンチを迎えるじゃないですか」
なるほど
中・小規模事業者にとっては担当者にかかる負担は決して小さくないと思われます。もし、エンパワーメントに失敗して業績を落とすことになりますと、会社経営に関わる問題になるかもしれません。
たとえるならば
担当が変わった際に、少しでもミスをすれば「前の担当者ならば……」と顧客から嫌味のひとつも言われ、自信を失くしてしまうと、その後のパフォーマンスが落ちるかもしれません。ただ、担当がそのままだと専門性がさらに極まり、周囲が何をしているかわからない「リモートの際の上半身スーツ姿で下半身パンツ一丁」のような状態になるかもしれません。
近い将来「制御不能」に陥るとなると会社のガバナンスの問題となりますので、トータルで見るとエンパワーメントは必要なのではないかと思います。
あじきない質問②「うちは一代限りと思っているのでエンパワーメントしなくてもいいでしょ」
なるほど
自分の世代で、会社を終了させている経営者の方は意外と多いと思われます。どんな職種でも「後継ぎがいない」「時代にそぐわない」というような理由で継承をさせたくても、やむを得ず断念する場合もあることでしょう。
たとえるならば
自身が長年培った技術・スキルをみすみす放棄してしまうのは非常に惜しいことです。ただ、何かの拍子でその技術・スキルに日の目が浴びるような「突然に温泉が吹き出して大ブレイク」状態になるかもわかりません。
せめて、その取捨はエンパワーメントされた人に任せてはいかがかと思います。
あじきない質問③「弊社ではエンパワーメントといっても実質丸投げなので、部下が「どうやったらいいのか」と戸惑ってしまい、その影響か離職率が高くなってます」
なるほど
突然、上司から「明日から担当を任せるから」と言われても部下は何をどうすればいいのか全くわかりません。わからないまま時間を過ごすと、部下はムダな時間を過ごしているように感じられて最悪の場合、何もわからないまま退職という形を取ってしまうかもしれません。
たとえるならば
エンパワーメントをおこなう上司にとっては、エキスパートとして長年にわたり築き上げてきた「担当という名の居場所」がなくなると「私はこれからどうすればいいんだよ?」と寂しく思う側面もあり「手塩に育てた娘をどこの馬の骨かわからない野郎に取られる」という「担当ロス状態」になってしまうこともあります。
ただ、会社の将来を考えると、「娘」を誰かに取られるのは仕方がないことだと思いますので、ここは一緒に「トリセツ」を教えていただけるようお願いしたいところです。
このように
エンパワーメントに関して、実行すれば短期的に業績が落ちるかもしれないですし、やらなければ将来において業績に影響が出るおそれがあります。
そのためには、まずは人材確保からはじめて、技術やスキルをエンパワーできるように育てなければなりません。
経営者としては
人手不足という根本的な問題が横たわっていますが
会社の戦略としては業績や利益を最大化するために
「どの時期にエンパワーメントすればスムーズに継承することができるか」を第一に考えなくてはならないと思います。
10年、20年と重ねていくと「必ず起きる問題」と思われますので、直面する前に「ヒト(人材)案件」とセットで考えておかれてはいかがでしょうか。
そして、前任者の協力がなかったり、技術・スキルが消失したりしないように、最悪は経営者にダウンロードする体制も考えないといけないほど、これからのエンパワーメントは難問と言えるかもしれません。
※あくまでも個人の見解です。
私の友人は、部下にエンパワーメントをし過ぎて仕事がなくなってしまいました。
本人が言うには
部下が入ってくると重要案件からお茶くみまでエンパワーメントしていたということなのですがそれは「丸投げ」なのではないかと指摘があり、ついでに、ある日丸投げした部下の一人からハラスメントで訴えられ、ホントに仕事がなくなってしまいましたとさ。
めでたしめでたし
かどうかはよくわかりませんが、今も窓際で外の景色を見ています。